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相続税・贈与税について(事業用不動産の相続税・贈与税)

1.相続税の仕組みと計算

< 計 算 例 >

2023年(令和5年)に夫が死亡し、妻と子供2人(成人)が3億円の財産を相続しました。この他、ローンの残額が5,000万円あり、葬式費用には200万円かかりました。なお、遺産は妻が5分の2を取得し、残りを子供に等分に配分しました。相続税はいくらになりますか。
相続税の計算の流れ」に沿って算出します。

Step1課税価格の合計額の計算

財産

負債

葬式費用

課税価格合計額

3億円 -(5,000万円 +200万円) = 2億4,800万円
Step2課税遺産総額の計算

課税価格合計額

基礎控除

課税遺産総額

2億4,800万円 - 4,800万円 = 2億円

※基礎控除 3,000万円+600万円×3人=4.800万円

Step3相続税の総額の計算

①課税遺産総額を法定相続分で按分する

課税遺産総額

割合

法定相続人の取得金額

2億円 × 1/2 = 1億円
子A 2億円 × 1/4 = 5,000万円
子B 2億円 × 1/4 = 5,000万円

②法定相続人ごとに算出した相続税を合計し総額を求める

法定相続人の取得金額

税率

控除額

相続税

1億円 × 30% - 700万円 = 2.300万円
子A 5,000万円 × 20% - 200万円 = 800万円
子B 5,000万円 × 20% - 200万円 = 800万円
  合  計     3,900万円
Step4各相続人等の算出税額の計算

相続税の総額を各相続人に按分する

3,900万円 × 2/5 = 1,560万円
子A 3,900万円 × 3/10 = 1,170万円
子B 3,900万円 × 3/10 = 1,170万円
合  計   3,900万円
Step5各相続人等の納付税額の計算

配偶者の税額軽減

配偶者は、法定相続分と1億6,000万円のいずれか多い額まで相続しても、相続税はかかりません。

①配偶者の課税価格(取得割合分)

2億4,800万円 × 2/5 = 9,920万円

②配偶者の法定相続分

課税価格合計額×法定相続分

2億4,800万円 × 1/2 =1億2,400万円

①が②又は1億6,000万円以下なので税負担なし

各相続人の納付税額

    0円
子A

Step4

より = 1,170万円
子B

Step4

より = 1,170万円
合  計   2,340万円

※最終の納付税額の合計額は、2,340万円で、債務控除後の課税価格合計額2億4,800万円の約9.4%相当となります。

Q&A16
売買契約締結後、引渡前に相続が発生した場合