65このケースに関する税金について説明をいたします。解 説■登録免許税CさんがEさんに信託により所有権を移転するときは、ケース1と同様です。Cさんが亡くなり、受益者がCさんからDさんに変更すると「受益者変更登記」が必要となり、不動産1筆につき1,000円が課税されます。また、Dさんが亡くなった場合には信託が終了し、自宅はEさんに帰属することになりますが、その場合には「所有権移転及び信託登記抹消」の登記が必要となり、所有権移転登記の登記分として、当該不動産の固定資産税評価額の20/1,000、信託抹消登記の登記分として、不動産1筆につき1,000円が課税されます。仮に、信託を利用せずに、CさんからDさんに自宅を相続させ、DさんがEさんに自宅を遺贈した場合には、CさんからDさんへの相続による「所有権移転」の登記及びDさんからEさんへの遺贈による「所有権移転」の登記が必要となり、相続による「所有権移転」登記の登記分として、当該不動産の固定資産税評価額の4/1,000が課税され、遺贈による「所有権移転」の登記分として、当該不動産の固定資産税評価額の20/1,000が課税されます。■不動産取得税Cさんの信託についてはケース1と同様で、CさんからDさんに受益権が移転しても課税されません。但しDさんが亡くなり信託が解除され自宅をEさんが取得すると実物不動産の所有権移転に対して課税されます。■譲渡所得税Cさんの信託についてはケース1と同様。その後も実物不動産の譲渡自体は生じないため課税されません。■固定資産税受託者Eさんに対して課税されますが、信託財産の管理のための費用として受益者に請求することによって実質的には受益者が負担することになります。■贈与税・相続税Cさんの相続によってDさんが受益者となった場合は、実質的な財産権の移動が起こりますので、遺贈により受益権を取得したとみなして相続税が課税されます。この場合、小規模宅地等の減額特例の適用は可能です。さらにDさんが亡くなり信託契約が終了する時点では、経済価値が受益者であるDさんから残余財産の帰属権利者である子供Eさんに移動するため、相続税が課税されます。なお、保有資産が信託財産になっても相続税評価額に変更はありません。相続税評価においては、所有権から信託受益権にその評価対象が変わることになりますが、その受益権の評価額は、信託された財産(所有権)の評価額と同額になります。税金の手引き 事業用Ⅶ. ケーススタディ
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