II

保有しているとき(不動産所得等)の税金

1.不動産所得に対する税金

不動産所得の計算

減価償却費

建物やその付属する設備などの資産は、毎年使用することによって物理的にも経済的にもその価値が減少します。その価値の減少は、毎年の収入獲得に貢献しているわけですから、このような資産を取得するための支出は、将来の収入を生みだすための費用の前払いと考えられます。したがって、建物などの資産を購入するために支払った金額はその支払った時だけの経費とせず、その資産を有効に業務の用に使用できる期間(耐用年数)の経費として配分しなければなりません。この経費を配分する手続を減価償却といいます。
減価償却費は、税法上定められた方法に従って金額を算定し、その耐用年数にわたってそれぞれの年の必要経費とします。ただし、購入代金が10万円未満の少額の減価償却資産については、全額その支払った年の必要経費として構いません。また、青色申告の承認を受けている場合、年額300万円を限度に購入代金が30万円未満の減価償却資産を必要経費とすることができます。

◆減価償却すべき資産か
減価償却すべき資産 減価償却の対象としない資産
  • 建物
  • 建物附属設備
  • 構築物
  • 機械装置
  • 車両
  • 器具備品
    ※家事上の減価償却費を除く
  • 土地(土地の上に存する権利)
  • 電話加入権
  • 書画骨董
◆減価償却の方法

認められている減価償却の方法は次の通りです。

定額法=毎年の減価償却費が定額となるように計算する方法

定率法=初期に多額の減価償却費を計上し、その後年々減価償却費が減少する方法

個人の場合、原則的には定額法により計算を行いますが、事前に「減価償却資産の償却方法の届出書」(注)を提出することにより定率法(旧定率法)を選定することができます。
ただし、建物・建物附属設備・構築物については定額法で計算しなければならないと定められています(建物附属設備及び構築物は2016年(平成28年)4月1日以降取得のもの)。

(注)その年の確定申告期限までに税務署に届け出る必要があります。

◆減価償却費の計算

減価償却費は次のように計算します。

償却方法

減価償却費の計算方法

定額法 取得価額 × 法定耐用年数に応じた定額法の償却率
定率法

①A≧「償却保証額」の場合・・・A

②A<「償却保証額」の場合・・・B

A:前年末時点の未償却残高 × 法定耐用年数に応じた定率法の償却率

B:「A<償却保証額」となった年の前年末時点の未償却残高 × 法定耐用年数に応じた改定償却率

※償却保証額:取得価額 × 法定耐用年数に応じた償却保証率

※帳簿価額が1円になるまで償却することができます。

※年の中途で新たに事業の用に供した資産については、事業供用日から年末までの月数分を計上します。