2.消費税
非課税取引とは
消費税は、原則として、国内において「事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付及び役務の提供」ならびに「輸入取引」を課税の対象としています。しかし、これらの取引であっても消費に負担を求める税としての性格から課税の対象としてなじまないものや社会政策的配慮から、課税しない非課税取引が定められています。
非課税取引
- 土地等の譲渡及び貸付
- 有価証券等、支払手段等の譲渡
- 利子、信用保証料、信託報酬、保険料
- 郵便切手類、印紙等の譲渡
- 商品券・プリペイドカード等の譲渡
- 行政手数料等
- 国際郵便為替等
- 社会保険医療等
- 介護保険サービス・社会福祉関連事業・助産
- 埋葬料・火葬料
- 一定の身体障害者用物品の譲渡等
- 一定の学校の入学検定料、入学金、授業料、施設設備費等
- 教科用図書の譲渡
- 住宅の貸付
- 外国為替業務等
消費税還付についての制限
2016年(平成28年)度税制改正では課税事業者が「居住用賃貸建物」を取得して消費税の還付を受ける場合、一定の課税期間中は免税事業者に戻れない、あるいは、簡易課税制度へ変更ができなくなりました。
さらに、2020年(令和2年)度税制改正により、2020年(令和2年)10月1日以後に取得した「居住用賃貸建物」に係る課税仕入れについては、仕入税額控除が適用できないこととなりました。
ただし、「居住用賃貸建物」のうち住宅の貸付の用に供しないことが明らかな部分は、引き続き仕入税額控除の対象となります。
※「居住用賃貸建物」とは、住宅の貸付の用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって、税抜対価の額が1,000万円以上のものをいいます。
- Q&A6
- 自宅売却の消費税
- Q&A7
- 不動産収入の消費税の課税区分
【主な届出等一覧】
届出が必要な場合 | 届出書名 | 提出時期 |
基準期間又は特定期間における課税売上高等が1,000万円超となった場合 | 消費税課税事業者届出書 | 事由が生じた場合、速やかに |
基準期間における課税売上高等が1,000万円以下となった場合 | 消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書 | 事由が生じた場合、速やかに |
免税事業者が課税事業者になることを選択しようとするとき | 消費税課税事業者選択届出書 | 適用を受けようとする課税期間初日の前日まで |
課税事業者を選択していた事業者が免税事業者に戻ろうとするとき | 消費税課税事業者選択不適用届出書 | 免税事業者に戻ろうとする課税期間の初日の前日まで |
簡易課税制度を選択しようとするとき | 消費税簡易課税制度選択届出書 | 適用を受けようとする課税期間の初日の前日まで |
簡易課税制度の選択をやめようとするとき | 消費税簡易課税制度選択不適用届出書 | 適用をやめようとする課税期間の初日の前日まで |
【用語の意義】
課税期間とは |
納付すべき消費税の計算の基礎となる期間のことをいいます。原則として、個人事業者は暦年、法人は事業年度をいいます。 |
基準期間とは |
課税期間において、消費税の納税義務が免除されるか、簡易課税制度を適用できるかどうかを判断する基準となる期間のことをいいます。
課税事業者とは次のいずれかを言います。
(注)特定期間とは、個人事業者の場合、前年の1月1日から6月30日までの期間をいい、法人の場合、前期の事業開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。 |
インボイス制度とは
適格請求書保存方式(インボイス制度)とは、登録を受けた消費税課税事業者が交付する適格請求書により、消費税の仕入税額控除(課税仕入にかかる消費税の控徐)をできるようにする制度です。消費税の納税義務のある課税事業者は、仕入れ先から適格請求書の発行を受けなければ、仕入税額控除ができなくなります。適格請求書を発行できるのは、登録事業者となった消費税の課税事業者だけです。導入は2023年(令和5年)10月1日からとなります。
【適格請求書の記載事項】
- 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率対象品目の場合はその旨)
- 税率ごとに区分した対価の額及び適用税率
- 消費税額等
- 交付を受ける事業者の氏名又は名称
【経過措置】
- 2023年(令和5年)10月1日〜2026年(令和8年)9月30日
免税事業者からの課税仕入れにかかる消費税の80%相当額が仕入税額控除の対象となります。
- 2026年(令和8年)10月1日〜2029年(令和11年)9月30日
免税事業者からの課税仕入れにかかる消費税の50%相当額が仕入税額控除の対象となります。