VI

法人の活用

4.法人と個人の税金上の相違

法人設立のメリット
3経費の範囲が広がる

家事関連費と事業上の経費の区分はとかく問題になりますが、法人の場合は、電話代や水道光熱費などを会社契約で堂々と経費化することができます。個人事業では一切認められない社宅家賃も一定額は損金として認められるほか、年金、健康保険などの社会保険料も半分は会社負担とすることができます。

4給与の幅が広がる

事前届出制の青色事業専従者給与は他の同業の事業者の青色事業専従者給与と比較して給与の額が判断されます。そのため、比較的低い金額になってしまいます。法人の役員報酬はその会社の利益、他の従業員給与、他の同一業種の給与水準等の比較で決めることができるため青色事業専従者給与より自由度が広がります。

5青色欠損金を10年繰り越すことができる

個人・法人ともに青色申告の承認を受ければ、その年(期)に生じた損失を翌年(期)以後に繰り越し、利益との相殺をすることができます。
個人の場合には3年間の繰り越しが認められているのに対し、法人の場合には10年間の繰り越しが認められています。

青色欠損金を7年繰り越すことができる
6会社契約で生命保険・損害保険に加入できる

個人事業の生命保険は経費にできませんが、法人で加入し法人が受取人になるなど一定の条件の生命保険金等は会社の損金に算入することができます。

生命保険契約 保険料の取り扱い 金 額 備 考
個人契約 所得控除の対象 最大12万円 保険の種類によって控除額が決まります。
法人契約 損金算入 主に半額 契約内容によって異なります。
7相続対策となる

②や④の所得の分散効果で、本来のオーナー個人の所得が、法人を通じて家族の給与として支払われることとなります。オーナー個人は金融資産の蓄積を抑制することで相続税の増加を防ぐことができ、それとは逆に家族は金融資産が蓄積することで相続税の支払い財源を確保することになります。

相続税対策となる