VII

ケーススタディ

9.土地と建物の所有者が異なる場合について

解 説

個人・法人それぞれの借地権課税は下記のようになっています。

【個人地主・法人借地人の場合の課税関係】

区 分 通常の権利金を収受する場合 通常の権利金を収受しない場合
相当の地代を収受する場合 相当の地代を収受しない場合
無償返還の届出がない場合 無償返還の届出がある場合
法人借地人

①支払権利金を借地権として計上

②毎期の支払地代は、損金算入

毎期の支払地代は損金算入

①権利金相当額の受贈益課税(通常借地権として計上)

②支払地代は損金算入

①受贈益課税なし

②毎期の支払地代は損金算入

個人地主

①権利金収入は、譲渡所得(権利金収入が土地の時価の2分の1を超える場合)又は不動産所得

②毎年の地代収入は不動産所得

毎年の地代収入は不動産所得 実際に収受している地代収入は不動産所得 同左

【法人地主・個人借地人の場合の課税関係】

区 分 通常の権利金を収受する場合 通常の権利金を収受しない場合
相当の地代を収受する場合 相当の地代を収受しない場合
無償返還の届出がない場合 無償返還の届出がある場合
個人借地人
(社長)

①支払権利金は借地権の取得費

②毎年の支払地代は、必要経費又は家事関連費

毎年の支払地代は、必要経費又は家事関連費

①権利金相当額について、給与所得として課税

②毎年の支払地代は必要経費又は家事関連費

①毎年の支払地代は必要経費又は、家事関連費

②地代差額について毎年給与所得として課税

法人地主

①権利金収入の益金算入(権利金収入が土地の時価の2分の1以上の場合は土地の帳簿価額の一部損金算入)

②毎期の地代収入の益金算入

毎期の地代収入の益金算入

①権利金相当額の認定課税(社長に対する賞与)

②毎期の地代収入の益金算入

①毎期の地代収入の益金算入

②地代差額について毎期認定課税(社長に対する報酬)