VI

法人の活用

5.同族会社の株価評価

原則的評価方法

◆評価額の計算

前記の判定基準により、大会社、中会社、小会社に区分された株式の評価額は、それぞれの区分に従い下記の算式により算定されます。

〈同族株主が取得した株式の評価方式〉

会社の規模 評 価 方 式
大 会 社 類似業種比準価額×1.0


L=0.9 (類似業種比準価額×0.9)+(純資産価額×0.1)
L=0.75 (類似業種比準価額×0.75)+(純資産価額×0.25)
L=0.6 (類似業種比準価額×0.6)+(純資産価額×0.4)
小 会 社 選択により純資産価額 又は(類似業種比準価額×0.5)+(純資産価額×0.5)

(注)

1.類似業種比準価額 > 純資産価額のときは、類似業種比準価額は純資産価額と同額とします。

2.持株割合が50%未満の同族株主グループに属する同族株主の場合には、一定の場合を除き1株当たりの純資産価額は20%減となります。

〈類似業種比準価額〉

類似業種比準価額方式とは、取引相場のない株式のうち、比較的規模の大きい会社の株式の評価に適用する方式です。
類似業種比準価額を算定するには、まず一株当たりの資本金等の額(資本金の額及び資本剰余金の額の合計額から自己株式の額を控除した金額)を50円とした場合の次の数値を調べます。

国税庁が業種別に公表する類似会社の 評価する会社の

B 1株当たりの配当金額

C 1株当たりの利益金額

 

D 1株当たりの純資産価額(帳簿価額)

 

A 株価(課税時期の属する月以前3ヶ月及び前1年間平均又は前2年間平均のうち最も低いもの)

b 前2年の1株当たりの年平均配当金額

c 直前期1年間(選択により2年間の平均)の1株当たりの利益金額

d 直前期末の1株当たりの純資産価額(帳簿価額)

 

※c又はdがマイナスのときは0とする

次に下記の算式により、類似業種比準価額を計算します。

類似業種比準価額を計算

〈純資産価額〉

純資産価額とは、会社が評価時点において有する資産から負債を控除して算定される価額をいいます。この場合、会社の財産の全部を財産評価基本通達により評価換えをし、含み益があれば、それに対する税金相当額を控除した金額を純資産価額とし、これを発行済株式数で割ったものが1株当たりの純資産価額となります。

1株あたりの純資産価格

(注)法人税等に相当する割合として定められている率

A:課税時期現在の相続税評価額による総資産価額

B:課税時期現在の負債額(各種引当金、準備金を除く)

C:課税時期現在の帳簿価額による総資産価額

D:課税時期現在の帳簿価額による負債額(各種引当金、準備金を除く)

E:課税時期現在の発行済株式数