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リハウス
ストーリー
Vol.4

Rehouse Story(リハウスストーリー) Vol.4Rehouse Story(リハウスストーリー) Vol.4

Rehouse Story Vol.4

それは「中古住宅を買いたいから、相談にのってくれ」というお電話でした。「はい、すぐにお伺いいたします。どちらにお住まいでしょうか?」と尋ねると、「○○病院の○号室」。え…?私は思わず聞き返してしまいました。「○○病院だよ。入院しているから病室に来てほしいんだ」。うーん、入院先から家を買いたいとおっしゃるには、何か事情があるかもしれない。私は電話を切るとすぐに店を出て、病院へと車を走らせました。

「やぁ、どうぞ」。病室へ入ると、ベッドからは割と元気そうな男性の声が。

日当たりの良い病室で、付き添いの女性がすぐに立ち上がり、中へと促してくれました。ベッドへ近づくと、全身包帯だらけの男性が横たわっていました。「交通事故でね、この通りさ」と、苦笑い。それが最初の出会いでした。お二人は、病院から遠く離れた、市外に住むご夫婦。社会人の娘さんと息子さんがいらっしゃいます。数カ月前事故に遭い、それ以来の入院生活。やむなく仕事も辞めたそうです。私は聞けば聞くほど、なんてひどい目に遭われたのだろうと胸が痛みました。が、淡々と話されるご様子には、不思議と絶望感や悲壮感はありません。私とは初対面だから、そのような姿を見せないだけかな?と思いながら、お話を聞いていました。「…そういう訳で。まだ入院には半年以上かかりそうだし、退院後も通院せにゃならんし。妻も市外の自宅から通うのが大変だからさ。思い切ってこの病院の近くに引っ越そうかって。だから、病院近くの一戸建てを探して欲しい」とのお話でした。「妻も通うのが大変」という言葉に、私はハッとしました。ご夫婦が住み慣れた土地を離れてでも、守りたいものは何か?そう、このご夫婦、いやご家族は、お互いを何より気遣っていたのです。妻は、これから長い間通院する夫を。夫は、それに付き添う妻を。子ども達も引っ越しに同意しています。交通事故でひどい目に遭っても、家族が心から支えてくれているから、絶望していないんだ。私はすべてに納得がいきました。「電話したらすぐに飛んできてくれたからさ。あなたに頼むよ」とのお言葉に私は「ありがとうございます。一日も早く引っ越されたいですよね。早速お探しします!」と約束をしました。

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私はすぐに行動を起こしました。

目ぼしい物件の資料を手に、何度も病室へ足を運びました。まだ外出はできない状態ですから、気に入った物件の見学は、妻や子ども達が見に行きます。そんな時は直接行かなくてもなるべく内装が分かるようにと、私は部屋中を撮影して病室へお持ちしました。そして、気に入った物件が見つかり、本格的に購入を検討される時。「妻や子ども達が気に入ったなら、いいんだ」という、優しいその方らしいお言葉での、ご決断でした。ご自分はまだ数カ月の入院を予定されているなか、ご家族は引っ越されました。「妻も楽になったよ。住み心地も良いらしい。ありがとう!」ご自分は家をまだ見てもいないのに、それは嬉しそうに、ベッドの上からお礼を言われました。
それから約1年後。無事に退院されていたその方から、また私へお電話がありました。「娘夫婦の家探しをお願いできないかな」とのお話。早速お宅へ伺いますと、娘さんご夫婦含め、ご家族全員が揃って迎えてくださいました。娘さんご夫婦はご実家から近い場所が良いと言われ、ご希望通りの家を購入されました。それからさらに1年後。今度は「近所に良さそうな物件を見つけたんだ。息子のためにも、良い場所なので買っておきたいんだが」とのお問合わせ。私は早速売主様と連絡を取り、購入のお手伝いをしました。

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その後も、家の設備で気になるところがあるとすぐ、私へ連絡してくださいました。

私はそういうとき、電話だけで業者手配はしません。まずは行って話を聞き、気になる箇所を自分の目で見るよう徹底しています。リフォーム業の経験もあるので、時にはその場で直してしまうことも。そういったこともあり、私は何度も、お宅へお邪魔しました。そんな時、息子さんは二階の部屋からわざわざ下りてきてくださり、ご夫婦は「食べてって!」とよくご飯をご馳走してくださいました。食事時の会話では、私の幼い息子の話も、それは楽しそうに聞いてくださったものです。ある時、「あなたはいつも素早く、丁寧に対応してくれるから安心だ。これからも土地のことや家のこと、何かあればよろしく頼むよ」とのお言葉に、私はご家族のパートナーとして末長く頼っていただけるよう頑張ろうと、心に誓いました。
最近しばらくお会いしていないなぁ、と思っていた先日。久しぶりにお電話をいただきました。「実は飲食店をはじめたんだ。今度食べにおいでよ」。声を聞いて、あぁ、お元気そうだな、と嬉しくなりました。必ず行きますとも!おいしいお料理を味わいに、そして、きっと相変わらず仲の良いご家族の、近況をお聞きしに。私は手帳にしっかりと、お店の場所をメモしました。

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