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相続税・贈与税について(事業用不動産の相続税・贈与税)

4.相続時精算課税制度(相続税・贈与税の一体化措置)

相続時精算課税制度の活用例

◆アパートの建物のみの贈与

※「ケーススタディ8」もあわせてご参照ください。

親から子へアパートの建物の贈与が行われた場合には、賃貸収入が子に帰属することになるので、親の相続財産の増加を防ぎ相続税対策になると同時に、親に集中している収入が分散されることから所得税の節税効果もあります。また子がその収入を貯めることで相続税の納税資金対策になります。建物のみの贈与としているのは、「建物の相続税評価額=建物の固定資産税評価額×(1-0.3)」であり、贈与税額を考慮に入れると土地がない方が容易に収益物件の贈与が可能になるからです。

◆値上がりしそうな不動産の贈与

相続時精算課税制度の適用を受けた贈与財産は、相続税を計算するとき贈与時の時価で計算されます。従って、贈与時点よりも将来値上がりが見込まれる不動産の贈与は相続税の節税に繋がります。

注意点

◆負担付贈与に注意

※「ケーススタディ8」もあわせてご参照ください。

アパートの建物を相続時精算課税制度を利用して贈与する場合の注意です。アパートの敷金を預かっている状態で、その敷金の返還義務を継承してアパートの建物の贈与を受けると、敷金の返還義務という債務負担付での贈与となります。この場合、贈与の額は時価とされると共に贈与者にも譲渡所得税の課税問題が生ずることもあります。敷金は現金で贈与しておく必要があります。

◆小規模宅地の特例は適用できない

相続時精算課税制度を利用して、アパートの建物とその敷地を贈与する場合、敷地については小規模宅地の特例は適用できません。ただし、貸家建付地の評価減は適用することができます。

◆物納財産とすることはできない

相続時精算課税制度を利用して贈与された不動産は、その後贈与者に相続が生じた場合、その不動産は物納財産とすることはできません。