II

保有しているとき(不動産所得等)の税金

3.固定資産税(都市計画税)

固定資産税

固定資産税は毎年1月1日時点の土地・建物などの所有者(固定資産税課税台帳に登録されている人)に対し、市区町村が課税します。納税は送られてくる納税通知書により一括払いもしくは年4回の分納のいずれかを選ぶことができます。

税額=課税標準額(注)×1.4%

(注)課税標準額は固定資産税課税台帳に登録されている固定資産税評価額を基礎としています。
負担調整措置により急激に固定資産税の負担が増える地域は一定の率の増加に抑えられています。

◆住宅用地と新築住宅の建物の固定資産税の軽減の特例

住宅用地

小規模住宅用地(200㎡以下の部分)……課税標準×1/6

一般住宅用地(200㎡超の部分)…………課税標準×1/3

※但し建物の課税床面積の10倍が上限とされます。
併用住宅の場合、住宅用地として対象となる部分は以下のとおりです。

家屋の種類 居住部分の割合 住宅用地
下に掲げる家屋以外 1/4以上1/2未満 1/2
1/2以上 すべて
5階建以上の耐火建造物 1/4以上1/2未満 1/2

1/2以上3/4未満

3/4
3/4以上 すべて

その敷地の上に住宅が存在する限り、軽減の特例は適用されます。

新築住宅の建物

新築建物は120㎡までの部分について次の期間、固定資産税が1/2(2024年[令和6年]3月31日までに新築された場合の特例)となります。

区 分 適用期間
一般の場合 認定長期優良住宅
3階建以上の
耐火構造・準耐火構造住宅
5年間 7年間
上記以外の住宅 3年間 5年間

※店舗併用住宅の場合、居住用部分の床面積が全体の1/2以上であること。

※居住用部分の課税床面積が一戸につき50㎡以上280㎡以下であること(賃貸住宅の場合は一戸につき40㎡以上280㎡以下)。

※認定長期優良住宅の場合は、認定を受けて建てられたことを証する書類を添付して、新築した年の翌年1月31日までに市区町村に申告する必要があります。

◆長寿命化に資する大規模修繕工事を行ったマンションに係る特例
(1)適用要件 以下のいずれかの要件を満たすマンションのうち一定のもの
イ:マンションの管理に関する計画が、マンション管理適正化推進計画を作成した都道府県等の長により認定されたもの
ロ:都道府県等からマンションの管理の適正化を図るために必要な助言もしくは指導を受けて長期修繕計画を適切に見直した場合における、当該助言もしくは指導に係るマンション
(2)適用期間 2023年(令和5年)4月1日から2025年(令和7年)3月31日までに一定の大規模修繕工事を行うこと
(3)申告要件 当該マンションの区分所有者が大規模修繕工事後3ヶ月以内にマンション管理士等が発行した証明書等を添付して市町村に申告すること
(4)軽減額 当該マンションの家屋に係る固定資産税額(1戸あたり100m²相当分までに限る)の3分の1を参酌して6分の1以上2分の1以下の範囲内において市町村の条例で定める割合に相当する金額

都市計画税

都市計画税は毎年1月1日時点の都市計画区域内にある土地・建物の所有者に対し、市区町村が課税します。固定資産税と一括して納付します。

税額=課税標準額×税率

税率の最高限度は0.3%以内の範囲で決められています。

◆住宅用地と新築住宅の建物の都市計画税の軽減の特例

住宅用地(注)

小規模住宅用地(200㎡以下の部分)……課税標準×1/3

一般住宅用地(200㎡超の部分)…………課税標準×2/3

新築住宅の建物

原則として軽減の特例はありません。
ただし、市区町村によっては条例により、特別に軽減の特例を設けている場合があります。

(注)住宅用地とは、専用住宅の土地または併用住宅で建物の1/4以上が居住の用に供されている土地となります。

※倒壊や失火などの危険性が高まる老朽化した空家対策として、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づく必要な措置の勧告対象となった特定空家等に係る土地については、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の対象から空家に係る土地を除外します。

Q&A8
固定資産税の住宅用地の軽減はアパートを建てると有利
Q&A9
住宅建て替え中の場合の土地の課税