ホーム 売却時の税金

売却時の税金

2.譲渡所得と取得費・譲渡費用

譲渡所得

譲渡収入金額から、取得費と譲渡費用を差し引いて求めます。

譲渡所得計算

譲渡所得 = 譲渡収入金額(注1) - (取得費 (注2) + 譲渡費用)

(注1)土地・建物の譲渡代金

(注2)取得費は土地・建物の取得のために要した費用の金額から建物の減価償却費の累計額を差し引いた金額です。

課税譲渡所得 = 譲渡所得金額 - 特別控除 (注3)

(注3)特別控除の種類により定められた金額となります。

税額計算

税額 = 課税譲渡所得金額 × 税率(所得税・住民税)

課税譲渡所得金額に対する税率は他の所得と分離して、分離課税の税率となり、対象となる不動産の用途や所有期間により税率が異なります。

〈譲渡所得の税率〉

  短期 長期
5年以下 5年超
一般の譲渡

39.63%
(所得税30.63%・住民税9%)

20.315%
(所得税15.315%・住民税5%)

国又は地方公共団体等に対する
土地等の譲渡

20.315%
(所得税15.315%・
住民税5%)

2,000万円以下

2,000万円超

14.21%
(所得税10.21%・
住民税4%)

20.315%
(所得税15.315%・
住民税5%)

特定の民間再開発事業の用に
供するための土地等の譲渡 (注1)

39.63%
(所得税30.63%・住民税9%)

一団の宅地の造成を行う者に対する
都市計画区域内の土地等の譲渡 (注2)

(注1)地上階数4以上の中高層耐火建築物の建築をすることを目的とする事業を行う者に対する既成市街地等内にある土地等の譲渡で、その事業の施行地区の面積が1,000㎡(認定再開発事業の場合は500㎡)以上である一定のもの

(注2)都市計画区域内において1,000㎡(市街化区域の場合)以上の一団の宅地造成を行う個人又は法人に対する土地等の譲渡で一定のもの

取得費

取得のための費用で一定のものが認められます。土地は非減価償却資産のため、取得価額が取得費となりますが、建物については経年劣化により減価されると考え、この減価償却費の累計額を取得価額から差し引きます。なお、減価償却費の計算の基礎となる取得価額には、購入のために要した付随費用のうち事業所得又は不動産所得の必要経費とした金額は含まれません。

■減価償却費の計算方法

減価償却費の一般的な計算方法としては、定額法(旧定額法)と定率法(旧定率法)があり、減価償却方法の選択の届出をしない場合には、定額法(旧定額法)で計算します。なお、1998年(平成10年)4月1日以後に取得した建物については、すべて定額法(旧定額法)により減価償却費を計算します(事業用資産の減価償却費の計算については→こちらをご参照ください)。

〈非事業用資産の場合〉

建物についてマイホーム、セカンドハウスなど非事業用の資産として使用していた期間がある場合には、その期間については次の算式により減価償却費を算出します。

償却費(旧定額法)= 建物購入代金 × 0.9 × 旧定額法の償却率 × 経過年数 (注1)

〈償却率〉

建物の構造等 耐用年数(注2) 旧定額法の償却率
木造 33年 0.031
木骨モルタル造 30年 0.034
金属造で骨格材の肉厚が
  • 4mmを超えるもの
  • 3mm超4mm以下のもの
  • 3mm以下のもの
51年
40年
28年
0.020
0.025
0.036
鉄骨鉄筋コンクリート造
鉄筋コンクリート造
70年 0.015

(注1)経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

(注2)非事業用資産の耐用年数は事業用資産の1.5倍で計算されます。

※償却費は建物購入代金の95%を限度に計算します。

■取得費の特例

土地建物の場合には、次の①または②の金額のうちいずれか多い金額を取得費とすることができます。

土地等の場合 建物の場合

①収入金額×5%相当額

②取得価額

①収入金額×5%相当額

②取得価額-減価償却費

■相続・贈与等により取得した資産

個人から相続・贈与により取得した資産の取得費は、原則被相続人、贈与者等のその資産を所有していた期間を含めて引き続き所有していたものとみなします。つまり、取得価額及び取得時期のいずれも被相続人等のものが引き継がれます。

移転事由 相続・贈与・遺贈を受けた者
・相 続
・贈 与
・遺 贈
取得費・取得時期を引き継ぐ

■相続税額の取得費加算の特例(空き家の3,000万円控除の特例との選択適用とする)

相続又は遺贈により取得した財産にかかる相続税額がある場合で、その相続財産を相続開始があった日の翌日から相続税の申告書の提出期限(注1)の翌日以後3年を経過するまでの間に譲渡した場合、通常の方法により計算した取得費に次の算式により計算した金額を加算することができます。

①譲渡所得

総収入金額 - (取得費 + 相続税の取得費加算額 + 譲渡費用)

②相続税の取得費加算額の計算(注2)

相続税額 × 

譲渡した資産に係る相続税評価額の合計額

相続税額にかかる課税価格

(注1)相続開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内

(注2)加算額はこの規定の適用前の譲渡益を限度とする

譲渡費用

譲渡費用とは不動産の譲渡の際に直接出費した費用で、下表のようなものが対象となります。

譲渡費用
  • 仲介手数料
  • 売買契約書の印紙代、登記に関する手数料等
  • 測量費用・分筆費用
  • 更地で売る時の建物取壊費用など
  • 売却のために借家人を立ち退かせるために支払った立退料
  • 売却のために行った建物の補修費
  • 買主と交渉のために要した交通費など

特別控除額

種 類 内 容 特別控除
収用等の特別控除 土地収用法、都市計画法等により資産が収用された場合 5,000万円
特定土地区画整理事業等の特別控除 特定土地区画整理事業等のために資産が買い取られた場合 2,000万円
特定宅地造成事業等の特別控除 特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合で一定の要件を満たす場合 1,500万円
2009年(平成21年)・2010年(平成22年)取得土地等の特別控除 2009年(平成21年)及び2010年(平成22年)に取得した土地等を譲渡した場合 1,000万円
低未利用土地を譲渡した場合の特別控除 都市計画区域内にある低未利用土地で上物を含めた価額が500万円(一定の場合は800万円)以下のものを譲渡した場合で、一定の要件を満たすもの 100万円
【参考】居住用財産の特別控除 自己の居住の用に供されている家屋及びその敷地の用に供されている土地等を譲渡した場合 3,000万円
【参考】空き家の特別控除 被相続人の居住用家屋(空き家)を譲渡した場合で一定の要件を満たす場合 3,000万円

損益通算

土地・建物等の長期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額および、土地・建物等の短期譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額については、原則として土地・建物等の譲渡による所得以外の所得との損益通算および翌年以後の繰越は認められません。また、土地・建物等の譲渡による所得以外の所得の金額の計算上損失が生じた場合には、土地・建物等の長期譲渡所得の金額および、土地・建物等の短期譲渡所得の金額との損益通算も認められません。一定の居住用の土地・建物の譲渡損失については、特例として他の所得との損益通算と繰越控除ができます。

損益通算

[参考]居住用不動産の譲渡損失の繰越控除

マイホームの譲渡損失の金額については、買換資産につき償還期間10年以上のローンを組む等一定の要件を満たすことにより、その年の他の所得と損益通算し、また、その年に相殺しきれなかった損失は翌年以後3年間の所得と相殺(繰越控除)することができます。
合計所得金額が3,000万円超の年分については繰越控除は適用不可ですが、譲渡の年については所得制限がなく、所得が3,000万円超の場合でも損益通算が可能です。
高額所得者がマイホームの買換えをする際にローンを組まずとも現金購入が可能な場合であっても、敢えて償還期間10年以上のローンを組むことにより損益通算が可能となり、税金の還付を受けることが可能となる場合もあります。

(例)2024年(令和6年)にマイホームの譲渡損失が生じ、その後退職して2027年(令和9年)の所得が3,000万円以下となった場合

2024年
(令和6年)
譲渡の年
2025年
(令和7年)
2026年
(令和8年)
2027年
(令和9年)
所得 3,000万円超 3,000万円超 3,000万円超 3,000万円以下
損益通算 ○(可能) ── ── ──
繰越控除 ── ×(不可) ×(不可) ○(可能)
企画・発行

三井不動産リアルティ株式会社

東京都港区霞が関 3-2-5 霞が関ビルディング

https://www.mf-realty.jp/
監修

東京シティ税理士事務所

税理士 山端 康幸

https://www.tokyocity.co.jp/

※このホームページの無断転載はお断りいたします。