IV

買換え・交換の特例

4.固定資産の交換の特例

固定資産の交換特例とは

固定資産である土地・借地権又は建物等をこれらと同種の資産と交換した場合、所得税法・法人税法とも原則は資産の譲渡とされ課税されることになります。しかし交換により取得した資産を、交換により譲渡した資産の交換直前の用途と同じ用途に供するなど、一定の要件を満たす固定資産の交換は課税されません。ここでは個人の所得税について説明します。
(「ケーススタディ7」をご参照ください。)

適用要件

次に掲げるすべての要件を満たす場合には、固定資産の交換の特例が適用されます。

交換譲渡資産及び交換取得資産は、いずれも固定資産であること
交換譲渡資産及び交換取得資産は、いずれも次に掲げる資産の区分に応ずる同種の資産であること
  • 土地、借地権及び耕作権
  • 建物、建物付属設備及び構築物
  • 機械及び装置等
交換譲渡資産は1年以上所有していたものであること (注1)
交換取得資産は交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと
交換取得資産は、交換譲渡資産の譲渡直前の用途と同一の用途に供すること (注2)(注3)
交換の時における交換取得資産の時価と交換譲渡資産の時価との差額が、これらのうちいずれか高い方の価額の100分の20に相当する金額を超えないこと

(注1)相続、贈与等により取得した資産又は収用等買換え特例により取得した代替資産の所有期間は、被相続人等のその資産の取得日、収用等による譲渡資産の取得日から交換の日までの期間により判定する。

(注2)交換譲渡資産の譲渡直前の用途とは、譲渡資産の交換時における用途をいいますが、他の用途に転用しようとしていたものは、その転用後の用途をいいます。
例えば地目「田畑」を「宅地」に転用する場合等がこれにあたります。

(注3)交換取得資産を同一の用途に供したかどうかは、次の表に掲げる資産の種類及び用途の区分に応じて判定します。
例えば、交換譲渡した土地が宅地として使用していたものであれば、交換取得した土地も宅地として使用するという場合が、資産の種類と用途の区分を同一にすることとなります。

交換譲渡資産の種類 用途の区分
土 地 宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他
建 物 居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他の用

従って、それぞれがいずれも宅地であれば、交換譲渡資産が借地権で交換取得資産が底地であったとしても、資産の種類と用途が同一のものとなります。また、店舗と住宅とに併用されている建物は、店舗専用の建物として、又は住居専用の建物としてもよく、事務所と住宅とに併用されている建物についても、事務所専用又は住居専用の建物のいずれとしても差し支えありません。

譲渡所得の金額の計算

A:交換譲渡資産の時価
B:交換譲渡資産の取得費・譲渡費用の額
C:交換取得資産の時価
D:交換差金等
E:課税譲渡所得金額
F:取得経費

譲渡所得の金額の計算

(注)上記の算式において、交換に要した経費のうち媒介手数料などのように資産の譲渡と取得の双方に関連する費用は、その費用の50%ずつを交換譲渡資産の譲渡に要した費用と交換取得資産の取得に要した経費に配分します。

固定資産の交換の特例の特徴

課税の免除ではなく繰り延べである。(交換取得資産の取得費は交換譲渡資産の取得費を引き継ぎます。)
「居住用の買換え特例」や「特定事業用資産の買換特例」と異なり、取得日も交換譲渡資産の取得日を引き継ぐ。
当事者間で合意された資産の価額が、交換に至った事情等に照らし合理的に算定されていると認められるときは、その合意された資産の価額によることができる。