VI

法人の活用

2.法人課税の仕組み

法人税とは

法人に対して課税される税金の代表的なものは法人税ですが、この法人税は法人の所得に対して課される税金です。この法人の所得は1事業年度(注)を計算単位として生じた所得を言います。

(注)法人の所得を計算するために区切られた期間のことを言います。通常は1年間ごとに区切っています。(例えば4月1日~3月31日)。また、特に開始・終了時期が決められているわけではなく、各法人が任意で時期を決めています。一般的にいわれる「決算期」は事業年度の終わりを指します。

法人の所得の計算(益金と損金)

各事業年度の所得の金額は、その事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額です。

収益 - 費用・損失 = 利益金額
益金の額 - 損金の額 = 所得金額

益金の額とは、原則として、資産の販売収入、受贈益その他資本等取引以外の取引に係るその事業年度の収益の額です。具体的には、商品の販売収入、固定資産などの資産の譲渡収入、預金などの利子収入等です。また、損金の額とは、原則として、その事業年度の売上原価、販売費・一般管理費、損失の額で資本等取引以外の取引に係るもので債務の確定したものを言います。具体的には、商品などの売上原価、譲渡した固定資産の譲渡原価、販売費・一般管理費、支払利息等です。

決算(会計)上の利益と法人税法上の所得

法人税の所得の計算方法は、企業会計において利益(純利益)を計算する方法と基本的に異なるところはありません。
しかし、現実には、法人税法上の所得金額は、課税の公平、産業政策上の目的等から税法で特別の規定を設けており、その結果、決算利益と所得の金額とは一致しないことがあります。そこで、両者が一致しない部分は、決算利益の修正を行って所得の金額を計算する必要がありますが、これが申告調整です。つまり、確定した決算による当期利益と所得の金額との差を調整するわけですが、具体的には、法人税の申告書上で決算書上の利益に加算・減算を行って誘導的に所得の金額を求めます。

所得の金額 =当期純利益(会計上の利益) + ①損金不算入 + ②益金算入 - ③損金算入 - ④益金不算入

①損金不算入: 費用・損失であるが損金とならないもの・・・交際費の損金不算入等
②益金算入 : 収益ではないが益金となるもの・・・受贈益計上もれ等
③損金算入 : 費用・損失ではないが損金となるもの・・・繰越欠損金の損金算入等
④益金不算入: 収益ではあるが益金とならないもの・・・受取配当等の益金不算入等
◆売上高の計上基準

売上高は、その引渡しのあった事業年度で益金に計上すべきとされています。しかし、その法人の販売形態、商品の特質等に照らして最も適合する合理的基準(たとえば出荷基準等)を選び、これを継続適用していれば、その基準が認められます。